奇跡の真実−the Truth Of The Miracle−
中でも、かなりの打撃となったのは"出産率の低下"による労働人口そのものの減少だった。それまで、良心の絆を保っていた頃のローマであれば男女の大半は、"結婚"(=Marriage)を単に配偶者との性的関係を死ぬまで維持して家や財産、職位などを相続させる子孫を作る為の社会制度、または慣習(=人々が"生活上の慣れ"として行ってきた方法)として考えていたわけでなく、苦難はいろいろとあっても"お互い仲良く協力して配偶者を、そして家族を守りながら暮らすこと"を条件にその責任を担える大人の男女が合意の上で誓い合う" 心と心の契約(約束)"だと信じていた。
だから、"神"から与えられた互いの心を一対(=a pair of hearts)にしようとする結婚を神聖なものとみなして、お互いその約束を破らないよう周囲の人々を証人に立て"神"の前(=天の下)で誓い合う儀式、つまり"結婚式"を行うようになったのだが、それも男女それぞれが相手への依存心や金銭欲、性欲といった"我欲"を抑えきれなくなると、勝手に浮気して家族を裏切ったり、家族を守り合うはずが逆に家庭内暴力(=Domestic Violence。略してDV)などを行ったりして最初の誓いの意味(心)も徐々に忘れていき、いつしか結婚は単なる世間の常識、または誰もが一生のうち一度は(時には何度でも)経験しなければならない"通過儀礼"(=Rite of passage、または"人生儀礼"とも言う。洗礼・お宮参り(=出産)、成人式、結婚式、葬式など"その社会において一人の人間として認められ、扱われる為に"とりあえずその社会に住む人々が決めたルールに従って行わなければならない儀式)としか思えなくなった。
妊娠中の体重減少のマイナス効果
そうして、お互い何となくすぐに裏切られそうな気がして相手に対して不信感や不安感を募らせるようになったのと、また、パトリア・ポテスタス(ラテン語で「家父長制度」の意)やミトラス宗(もしくはミトラ教。「太陽神によって男性のみが救済される」という教えでBC1世紀頃、ローマで大流行した新興宗教)などによる男尊女卑の風潮は根強いものの貴族の間では自分の資産を守る手段として妻や娘に土地や銀行口座などの財産分与を行い、それを使って自分で会社や店舗、農場経営を始める女性や、庶民であればラティフンディア(大農園)の農婦やドムス(お屋敷)の召使女として勤めたり、あるい� �様々な商店や工場、売春宿などで働いて(男性の地位や金銭的な特権は利用するものの)"あえて男性に頼らなくても自活できる女性"も増えるようになったため、ローマでは共和制末期から男女共、売春婦(または売春夫)や愛人は囲っても結婚しようとしない人(=独身または未婚者)や、何度も結婚しては離婚を繰り返す人、世間体や経済的な利益の為だけに偽装結婚(または政略結婚)を繰り返す人などが出てくるようになり、それと共に女性の意識も変わって"自分(女)だけが身体的・経済的な痛みに耐えてまで"わざわざ妊娠・出産、並びに育児をする気にはなれなくなった。
それゆえ、経済的に豊かな女性ほど家や財産、地位などを相続させる男子は望んでも子沢山になることはできるだけ避けようと、エジプトや� �リシャなどで行われていた避妊や堕胎法を盛んに取り入れるようになり、初代皇帝アウグストゥスが就任した頃にはローマの出産率の低下はもはや無視できないくらいの社会問題にまでなっていた。
太りすぎの十代
(ちなみに、古代ローマの結婚、特に貴族女性の結婚適齢期は12歳〜20代前半で、そのほとんどは親同士が自分達の職権や資産拡大の為に決めた政略結婚だったが、たまに娘自身が野心家だったり、再婚の場合であれば自分で結婚相手を選択することもあった。また、庶民の女性でも16歳〜20代前半に結婚するのが一般的で、30歳になってから結婚する女性は貴族でも庶民でも稀だったが、それはこの当時、出産で命を落とす女性が異常に多かったため、命の危険にさらされやすい高齢出産を避けようとして自然と早婚になったものと考えられる。
ただし、古代においてお産で死亡する女性が多かったのは、恐らく彼女達が日常、� �っていた避妊や堕胎法、そして性生活にも多少、原因があったようで、エジプトでは女性が象やワニの糞、蜂蜜やエッセンシャルオイル(精油)、炭酸ソーダ、アラビアゴムの木の汁などを使った避妊用ペッサリー(子宮キャップ)、またはゼリー(殺精子剤)を膣に入れてセックス(性交渉)を行っていたが、現代医学で検証すると避妊具としてはある程度、効果があるものの、長く異物や薬物を膣に挿入していると"肉眼では見えない自然界の様々な細菌に侵されたりして"子宮頸がんやトキシックショック症候群(注釈1)、その他の感染症にかかりやすくなり、"特に性感染症(または性病 )は自覚症状がなかなか出にくいため"その後、避妊を止めて妊娠しても血流や心拍数が一気に変化する分娩時に死に至ってしまうのである。
さらに、古代ギリシャやローマでは飲む避妊薬(つまり現代で言う"ピル"(経口避妊薬))としてキク科の"タンジー"や"ペニーロイヤルミント"、セリ科の"シルフィウム"(既に絶滅した品種で"ジャイアント・フェンネル"(日本名はウィキョウ)に近いと言われている)などが盛んに服用されたが、タンジーは痙攣、嘔吐、子宮からの出血過多、呼吸停止、臓器不全などを起こす毒性があり、ペニーロイヤルミントも血流を急速に促進する要素があるため出血多量で死亡してしまう危険がある。
とりわけ、北アフリカだけで栽培されて銀と同じくらい高価だった"シルフィウム"は、AD1世紀の博物学者プリニウスやAD2世紀頃に活躍した産婦人科学者(妊娠・出産・生殖機能について医療研究する学者のこと)のソラヌスなどが最も優れた避妊・堕胎薬として推奨したため、ローマの貴族女性のほとんどが少なくとも月一回、服用していたが、このシルフィウムの主成分である"アネトール"(=Anethole)は避妊や堕胎以外に"少量であれば"インフルエンザや気管支炎の咳止め及び去痰剤として、また胃の中の寄生虫を駆除したり、胃炎や消化、母乳の出を良くする薬として効果があるものの、これを"多量かつ頻繁に"服用すると血管の中で血が塊となって血管を塞いでしまう血栓ができやすくなり、この血栓によって脳梗塞や心筋梗塞、脳卒中などを併発してしまう。
しかも、このアネトール成分は現代において合成麻薬として有名なエクスタシー(またはMDMAとも呼ばれる)と同じ幻覚症状や覚醒作用が現れることもあり、そのまま過剰に飲み続ければ神経障害やボケ、肝臓障害、体温の異常上昇などで死亡することもある。
ちなみに近年、鳥インフルエンザの特効薬として使われているタミフルにもこのアネトールは含まれている。
また、ローマではシルフィウムの他に一度、熱して冷やした金属や、中国で"仙丹"(=万能薬)と呼ばれて始皇帝も飲んでいたとされる水銀、さらにヒ素、ストリキニーネなど、間違いなく飲み過ぎれば死に至る毒薬で持って避妊や堕胎を行っていた。
尚、こういった避妊や堕胎を目的とした薬物以外で美肌や豊胸、理想の体型の為の怪しげなハーブ(薬草)や気分そのものを高揚させて性交渉を楽しむ為の薬物など、つまり"麻薬"(=Narcotic、Recreational drug)がローマはもとより、エジプトやメソポタミア、ギリシャ、インド、中国などの古代においても既に富裕層の若者達を中心にかなり乱用されていて、エジプトで発見された女性のミイラからはコカインと煙草のニコチンが大量に検出されたり、ギリシャのオリンピック選手やローマのグラディエーター(剣闘士)達は筋肉増強剤としてマジックマッシュルームやストリキニーネなどをアルコールに混ぜて使っていた他、ローマでは麻酔や鎮痛剤に使われるモルヒネの原料であるアヘンが嗜好品として大っぴらに売られていたため、歴史学上、賢帝(?)と名高いAD2世紀頃のマルクス・アウレリウス皇帝も何とアヘン中毒に陥っていたと言われている。
だから、たとえ避妊や堕胎の為の薬は飲んでいなくても、古代の女性達の多くがこうした麻薬やハーブサプリメント(補助薬品)、煙草、アルコールを普段から乱用していれば、現代でも妊婦の最たる死亡原因である血栓塞栓症や妊娠中毒症(もしくは妊娠高血圧症候群)になりやすくなり、もちろん出産の際の死の危険は増すことになる。
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