高齢妊娠のページ
「高齢妊娠」は危険ですか?
「私は高齢妊娠なので、とても心配です。」といわれる患者さんをお見うけします。あるいは、これから子どもさんをつくられようとする場合、「高齢だけど妊娠して大丈夫ですか」とよく聞かれます。
高齢妊娠は危険なものであるという意識が浸透しているようです。
「では、どんなふうに高齢妊娠は危険とお考えですか」と伺うと、「ダウン症が増えたり。。。。。」という返事を頂きます。「ダウン症って、どんな病気かご存じですか」と伺ってもご存じない方や、「40歳で分娩すると何%ぐらいにダウン症の赤ちゃんが生まれますか」と聞くと、「60 - 70%ぐらいかしら」という返事が戻ってきたりします(実際は1%)。
どのくらいの暑さの中で犬は何ですか?つまり、「危険」という意識だけが先行して、どう危険なのか、どの程度危険なのかは理解されていないように思います。
高齢で妊娠しようとすることの危険性について、まず考えてみましょう。
最大の危険性は、a.妊娠しにくくなることです。同じ体外受精を行っても、35歳以下であれば35%程度あった妊娠率(胎嚢が見えた周期数を胚移植した周期数で割ったものです)が35-39歳になると25%程度に低下し、40歳を過ぎると15%以下にまでなります。
もう一つの大きな問題は、b.流産しやすくなることです。右下の表をご覧ください。30-34歳の方の自然流� �率が10.0%であるのに対して、40歳以上になると41.3%、10人のうち4人までが流産することが分かります。
また、c.子どもさんにトリソミー型染色体異常と呼ばれる染色体異常が増えることも問題とされています。先に述べたように、40歳の方がダウン症をもったお子さんを産む可能性は1%です。1%というと、99%はダウン症ではないといってもいい確率です。
どのように雄株から雌株を教えてくださいつまり、例えば40歳を過ぎると非常に妊娠しにくくなり、流産の頻度も格段に高くなります。しかし、妊娠が継続しさえすれば、子どもさんがダウン症である可能性はわずかに増加する程度ということができます。
また、d.年齢が高くなると、高血圧や糖尿病、子宮筋腫などが増えてきます。また、腟や会陰の組織がかたくなったり、体力がおちてきたりして、分娩時間が長くなったり、難産になりやすいといわれています。 しかし、これも実際のところ大きな問題ではありません。ほとんどの場合は「案ずるより産むが易し」です。40歳以上の初産の方でも普通に分娩される方がたくさんいます。
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